秋が深まってくると「さあ、いよいよミカンの季節だ」と私はウキウキ。ホクホク顔になっ てきます。
ミカンは「日本の冬」と切っても切れないくだものです。安い。どこでも手に入る。食べやすい。私たち一般庶民にとって、もっとも親しみやすいくだものだと思うのですが、このところ人気は下り坂のようです。それはひとえに今のミカンがまずいからでしょう。しかし私はミカンの味方です。糖尿病や肥満で因っている人には、この季節になると、決まり文句のようにこう勧めます。「ミカンをどんどん食べなさい」。初めての患者さんはたいてい自分の耳を疑います。「糖が出ているのに甘いくだものを食べろだって? とんでもないヤプ医者につかまったものだ」。びっくりしたとも困ったともつかない夜雑な表情を、私は何度見たことでしょう。
けれど私は動じずにこうつけ加えます。「ただしきちんとつくったものに限ります。農薬や除草剤の心配のないノーワックスのミカンを、袋ごと、皮ごと食べるようにしてください」「とにかくできるだけ甘くておいしいものを食べることです。私が特に勧めるのは、完熟ミカン。ふつうのミカンは糖度十度前後ですが、十三度以上もあります。これは太りすぎの方たちには最高のクスリですよ」。
なぜ甘いミカンをたっぶり食べてなおるのか、私は時間をかけて患者さんに説明しますが、自分の常識と正反対なためか、なかなか納得してはもらえないようです。しかし勇気をもって(?)私のいう通りに実行した早期の人たちは、九割方、回復に向かっています。血糖値が下がり、体重が減り、目に見えて効果があらわれているのに、まだ半信半凝の人も多いようですが、事実は事実です。
もちろんそれはミカンだけ特別なのではなく、リンゴ、イチゴ、スイカ、メロン、パイナップル、ブドウなど、あらゆるくだものについても同じです。よくできたくだものほどたいていそういうものの方が甘味が強いわけですが)成人病の治療に役立ってくれます。「先生、いわれた通りに腹いっぱいくだものや野菜を食べてたら、調子がいいんですよ。ずいぶんやせてきたみたいだし」。びっくりして飛んでくる患者さんのうれしそうな顔を見ると、私もうれしくなります。はんとうにその効果ははっきりあらわれるのです。
ではなぜ甘いくだものが肥満をなおすのでしょう。私はいろいろ考えてきました。これからその私の仮説について話していきたいと思いますが、その前に、そういう事実があるにもかかわらず、どうしてくだものが「肥満の大敵」とされてきたのか、さぐってみる必要がありそうです。
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