それぞれの料理のレシピです。変に味付けするより、すばらしい素材を引き出す方
向で考えたので、(全部ではありませんが)やや薄味になっているかと思います。山口という地域柄、関西風の薄い味付けです。特にしょう油は味も濃さも関東と比 べて随分異なるので、味付けの具合は参照程度に考えてもらえると助かります。
今回のレシピ作成にあたり、次のことを念頭において調理しました。
- 素材の味そのものを活かす
- 他の材料は主に普段から使うもの、家にあるものを用いる
- 母親の味を習う食べたいものを作る(モニター作成のためにやむを得ず作るのではなく、作りたいから作る、食べたいから作る)
- 手抜き調味料類は極力使わない
お助けのコーチは優秀ながら、何せ野郎の作る料理ですので、その点は差し引いて見ていただけると嬉しいです。
2人分で作ったものもありますが、レシピは統一して、すべて4人分としました。
【野菜の炊き合わせ】
■作り方■
- だしに材料を全部入れて強火で煮る。
- 沸騰したらあくを取り、中火で20分煮る。
- 器にきれいに盛る。
人参は太くて色が
濃い。サトイモも立派なサイズ。10cmくらいあって、いつも食べるものより一回り大きい。無農薬の大根は土が付いたままで(きちんとふるってあります)、どっしり重い。見た瞬間、美味しいことを確信。今回、すごく食べたくなって、一番最初に調理
した野菜です。
野菜の炊き合わせを配達の翌日、私の実家にて、母のコーチで作りました。事情を何も知らないものの感想も聞いてみたいと思い、父にはモニターの件を知らせていなかったのですが、何も知らないその父が、食卓で一口食べた瞬間「どこの野
菜か?」と、驚きの声を上げました。「栽培方法でも違うのか?」と聞かれて、うまい答えが出なかったのですが、「こだわって手をかけて作られたものばかりだ」と言っておきました。
大根は母曰く「こんなにさっと火が通る大根は、この辺にはない」と。あまりピンと きませんでしたが、「火が素早く通り、食べ頃のやわらかさで、味がおいしくしみこむものは皆無」だそうで、密度も高いし、「いい大根だ」と感心していました。
父は最近好きなサトイモの美味しいものを食べたことがなかったらしく、新鮮さと ねっとり感に大喜びで全部平らげてしまいました。人参はとにかく甘い。人参自体の甘さが普段食べる人参の比でないほどに甘い。こ
れなら人参嫌いでも絶対食べられるはず(断言しちゃいます)「こんなに美味しい野菜は、ここ何年か食べたことがない」と父は最後まで絶賛していました。母にはコーチ代ということで、野菜を少しお裾分けしました。親孝行で
きたかなと、私も満足です。
この日妻は娘の検診の関係で、実家に帰っていたので迎えに行く際に、持っていき ました。こちらでも、あまりの美味しさに、みんなで取り合いの状況になってしまいました。(誇大表現ではありません)。
【マッシュルームとポテトのグラタン】
|
セットからは、マッシュルーム、ブロッコリー、地どり自然卵 を使用しました。
■材料■(4人分)
ホワイトソース
・バター--20g ・薄力粉--大さじ2 ・牛乳--カップ2
・塩、こしょう--少々
・ホワイトマッシュルーム--16個 ・タマネギ--1/2個(約80g)
・ジャガイモ--4個(400g) ・小さなブロッコリー--1株
・バター--65g ・大正エビ(またはブラックタイガー)--4〜6尾
・レモン汁--小さじ1 ・酒--50cc ・マヨネーズ--大さじ1
・卵黄--1個 ・粉チーズ--大さじ4 ・ピザ・グラタン用ナチュラルチーズ--120g
・パン粉--大さじ2 ・塩、こしょう、サラダ油--少々
|
■作り方■
- ブロッコリーを熱湯で塩少々を加えてやや堅めに茹でる。エビは殻をむいて背綿をとり、熱湯、酒それぞれ50ccずつ加えたもので(かぶる 程度)軽く茹で、水気を切り、小さく切る。
- ジャガイモの皮をむき、一口大に切ってかぶる程度の熱湯で茹でる。水気を切ってから木べらで粗くつぶす。
塩小さじ1/3、こしょう少々、バター10g、マヨネーズ大さじ1を加えて混ぜる。
- マッシュルームは石づき(根本の固いところ)を取り除いて洗う。軸を取って、笠の内部をくり抜く。
- マッシュルームのくり抜いた部分と軸の部分を小さく刻み、レモン汁を加えて混ぜる。
タマネギをみじん切りにする。
みじん切りにしたタマネギの半分の量(40g)を、30gのバターで炒める。タマネギの色が変わったら刻んだマッシュルームを加え、熱が通ったら塩こしょうを加え、火から下ろして、別容器に移し、卵黄を加えて混ぜあわせる。
- ホワイトソースを作る。
鍋にバターを入れ薄力粉をふるい入れる。中火で4,5分炒める。
温めた牛乳を少しずつ加える。
煮立たせないように注意しながら中火でとろみが付くまで木べらで混ぜる。
塩、こしょうを加え、弱火で15分程度混ぜる。
- 残りのタマネギ40gを、バター20gで炒める。タマネギがしんなりしたら、マッシュル−ムの笠の部分を加えて混ぜる。軽く火が通ったらマッシュルームを取り出し別容器に移す。タマネギにホワイトソースを入れて温める。
塩、こしょう少々を加えて、ソースの味をととのえる。
- 6.のマッシュルームの笠を取り出し、4.で炒めあわせたものを詰める。
- 耐熱性容器の内側にサラダ油を塗る。皿の一番下に2.のジャガイモを入れ、その上に1.のエビを並べ、6.の詰め物をしたマッシュルームを置く。その上にホワイトソースをかけ、周りにブロッコリーを飾る。表面全体に、ピザ用のチーズを振り、その上から粉チーズ、パン粉を振りかけ
る。バター5gを小片に切り分け、表面に数個ずつ散らして置く。
- 200℃のオーブンで20分間、焼き色が付くまで焼く。 *実際は、いい大正エビが入手できず、ブトエビと呼んでいる小さな活きエビ(120g)を使いました。
【ブロッコリーとマッシュルームの炒め合わせ】
|
セットからは、マッシュルーム、ブロッコリー、地どり自然卵 を使用しました。
■材料■(4人分)
・ブロッコリー--300g ・マッシュルーム--10個
・地鶏卵--4個 ・イチゴ--8個 ・塩--少々
・サラダオイル--大さじ1 ・マヨネーズ--大さじ1
・牛乳--大さじ1
|
■作り方■
- ブブロッコリーは固めに茹で。食べやすいサイズに切る。マッシュルームは3片ずつに切り分ける。サラダオイルで強火で軽く炒め、塩少々を振る。
- 卵を割りマヨネーズと塩、牛乳を加えて混ぜる。
- 1.にかけて強火で軽く混ぜ合わせ、半熟状でイチゴを添え、皿に盛る。
小さなブロッコリーは、「全部使って下さい」とあったので、茎も葉っぱも全て使いました。見てくれは悪いですが、香り、色、鮮度は他のものと同様文句なし。小ぶりな分、予想以上に濃縮されたような味でとても美味しかったです。もう少したくさん入っていても良かったのに・・・と思うのは贅沢でしょうか。
ホワイトマッシュルームは、香り立ち、鮮度がいいですね。石づきの部分から、傘の外も内側も、鮮やかな色合いです。マッシュルームを初めて生で食べてみまし
た。ほのかな甘みがあります。心地よい歯ごたえです。ぷにぷにしていて切ってもくり抜いても型くずれしませんでした。キノコ特有のにおいは好き嫌いがありますが、 このマッシュルームは、いやみのない香りです。スーパーのものは、高くて古くてま
ずいので、普段はあまり買いません。こんなマッシュルームが容易に手に入ればいい のにとも思うのですが、スーパーだと、更に値が高くなるでしょうね。地鶏の卵とブロッコリーとで炒め合わせたのですが、柔らかな味で食が進みました。グラタンに用いたものは、チーズと良く合い、風味もしっかりありました。
地鶏自然卵は、とにかく新しいです。卵黄が盛り上がって出ています。(写真を撮るのを 失敗してしまいましたが)黄身をつまんだら、崩れることなくつまみ上げられます。
味も濃いです。信頼できる新鮮な卵が手に入らず、生卵の好きな父は、母から卵ご飯禁止令がずっと出されていたようです。その父が喜んで「おいしい」を連発して食べました。
【聖護院かぶのトウ菜と生ハムのパスタ】
■作り方■
- トウ菜を塩少々を加えた熱湯でやや固めに茹で、水につけたあとで水気をとり 2、3cmに切る。
- 熱湯4Lに塩大さじ2を加え、スパゲティをアルデンテ状に茹でる。ゆで汁は少し(100cc程度)取っておく。
- 茹でながら、フライパンにオリーブオイル、薄切りのにんにく、赤唐辛子を入れて焦がさないように香りが出るまで炒める。
- 茹であがったスパゲティをすぐにフライパンに入れ、トウ菜と食べやすい大きさに切った生ハムとゆで汁を加えて、素早く炒めあわせる。塩小さじ2、こしょう少々で味を付ける。
聖護院かぶのトウ菜は、葉の緑が濃く、自然の中で元気良く育ったのがよく分かります。くどくないほろ苦みが、心地よい後味となって楽しめます。ぬた料理はワケギを使うので、考えた結果パスタに使いました。
【ロールキャベツ】
|
■材料■(4人分)
・合い挽き肉--200g ・キャベツ--1個 ・タマネギ--1個
・完熟トマト--1個 ・しいたけ--2枚 ・人参--1/2本
・パセリ--少々 ・ベーコン--4枚
・鰹・昆布だし--カップ1 ・小麦粉--大さじ2
・サラダ油--大さじ1 ・水--カップ1
・ショウガ汁--小さじ2 ・片栗粉--小さじ1 ・塩--小さじ1/4 ・ごま油--小さじ1
|
■作り方■
- キャベツの葉をはがし、しんなりなるまで8分程度蒸し、ざるに広げて素早く冷ます。芯の厚いところはそぎ取って巻きやすくする。
- みじん切りにしたタマネギ、人参、シイタケをしんなりするまで炒め、挽肉を加え、火をよく通す。
ボールに移し、小麦粉、塩、こしょう、ショウガ汁、ごま油を混ぜ、更に湯むきした完熟トマト(小さく切り種を除く)、みじん切りにしたパセリを加え、丁寧に混ぜる。
- キャベツの葉を広げ、具を手前に適量のせて左右の葉をたたみ丁寧に巻いていく。葉が薄い場合や小さい場合などは、2枚重ねて巻く。
- 巻いたキャベツをベーコンでくるみ、鍋に並べる。キャベツがばらけないように楊子を刺して固定してもよい。
- 6部目程度に鍋にスープを入れ、弱火で30分、ふたをして煮る。
- ロールキャベツを器に盛ったあと、鍋の煮汁に、少量の水で溶いた片栗粉を加えてとろみをつけ、キャベツにかける。
*スープのだしは、野菜、鶏、等を用いてもOKです。
キャベツは、伝言帳の写真を見て驚きました。殺菌・殺虫剤不使用、除草剤未使用。冬の草に決して負けずにしっかり実るキャベツの力と、生産者の努力に脱帽で
す。表面の葉に虫食いが少しありましたが納得。葉が元気なこと、新鮮さ、色が濃い こと、香り、全て不満ありません。
ロールキャベツを作りました。それにしてもキャベツが甘い。生でかじっても甘いし、蒸した後も相変わらず甘い。味が薄れることがなかったです。こういうのを味がしっかりしているというのでしょう。肉の味よりも、キャベツの味の方が際だっていました。ちょっとびっくり。
【ワケギとクジラのぬたあえ】
|
■材料■(4人分)
酢味噌 ・白味噌--大さじ4 ・酢--大さじ2
・とき辛子--少々 ・砂糖(三温糖)--大さじ3
わけぎ--240g ・さらしクジラ(クジラの皮身部分)--100g
|
■作り方■
- クジラをさっと湯に通し、小さく切る。
- ワケギを根本の方から先に入れて茹で、根本から先の方へ向かって包丁の裏側でしごき、ぬめりを取る
- クジラを酢味噌で和え、ワケギを入れてあわせる。
ワケギは、一本一本が太くてしっかりした葉ぶりです。どの野菜にも言えることで芸がありませんが「甘い」です。定番のぬたに使いましたが、(赤貝がなく)鯨と合わせてみました。食事中の箸休めに最適です。
【ざるそば】
|
■材料■(4人分)
そば(乾麺)--300g
つけつゆ
しょう油--120cc みりん--40cc
砂糖--大さじ1と1/3 カツオ・昆布だし--360cc
薬味
辛丸大根--1/2本 青ネギ--1本 焼き海苔--2枚
|
■作り方■
- ネギは小口切り。大根はすりおろす。海苔は細長く切っておく。
- たっぷりの湯でそばを茹でる。流水にさらしてもみ洗いし、水気を切る。
- 器に盛って海苔を振りかけ、、つけつゆと薬味を添える。
辛丸大根は、最初カブかと思いました。洗わていない自然のままの姿。土は丁寧に払ってあり、好感が持てます。実が詰まってしっかりしており、密度が高かったです。
辛丸大根はやはりおろし大根が一番だろうと、芸がありませんが、そばの薬味にしました。好き嫌いのない私が唯一、大根の「辛み」だけは好きになれません。舌を刺すような辛さ、鼻に抜けるきつい香り・・・が苦手でおろし大根はおろして30分くらい経ってから、風味の抜けたものを食べていました。しかし!この辛丸大根、すっきりした辛みで、全然くどくありません。これなら私にも食べられる。それどころか、普段用いる薬味のわさびよりも、そばに合うと思うほど。それほど美味しいです。
余談ですが、半分残していた大根を、妻がカブと勘違いして、みそ汁の具にしてしまいました(笑)。辛さが飛んで、食べ方としては不適切でしょうが・・・さくさくと歯ごたえの、気持ちよい固さで、味も素直で、具としても満足しました。
【ネーブルオレンジのババロア】
|
■材料■(4人分)
・板ゼラチン--10〜12g ・牛乳--250cc ・グラニュー糖--120g
・ネーブルの皮--1と1/2個分 ・ネーブルの絞り汁(2個分)--100cc
・ネーブルの果肉(果肉用)--適量 ・レモン汁--20cc
・生クリーム--200cc ・オレンジキュラソー--50cc
・卵黄--4個 ・粗塩--少々
|
■作り方■
- 板ゼラチンを水につけてふやかす。ネーブルは粗塩でこすり洗いして、表皮をすり下ろす。飾り用の果肉もむいておく。
- なべに卵黄とグラニュー糖を入れて、粘りが出て白っぽくなるまで泡立て器でよくまぜる。
- 約60℃に温めた牛乳にネーブルの皮を入れて、弱火のまま木べらで混ぜ、香りをつける。
- 2.に3.を2〜3回に分けて入れ、グラニュー糖が完全に溶けたら再び弱火にかけて、木べらで混ぜ、とろりとさせる。
- 火を止めて、ゼラチンを加えて溶かし、ボウルにこしながら入れる。
- 5.にオレンジの絞り汁、レモン汁、オレンジキュラソーを加え、ボウルの底に氷水をあてて、混ぜながら冷やし、とろみをつける。
- 生クリームを氷水にあてながら六分立てにし、6.に少しずつ2〜3回に分けて加える。
- 器に流し入れ、冷蔵庫で冷やし固め、ほぐしたネーブルの果肉を盛りつける。
ネーブルの皮のさわやかな風味と、果肉の柔らかな酸味が楽しめます。
盛りつけ用の果肉は、やや多めに盛った方が、味に飽きがこなくてよいでしょう。 ネーブルは、国産のしっかりしたものなら軽く洗うだけでもいいですが、輸入品は防 かび剤等が散布してあるので、余り使用しない方がいいでしょう。ゼラチンは固さの
好みで調節して下さい。
ネーブルは、皮がしっかりしていい香りがします。ジューシーな食感。みずみずしく甘みも強いです。酸味もほどよくあり、バランスの良い味です。 愛娘の紗英に、このネーブルと寿太郎ミカンを、離乳食として絞って与えてみました。気に入ってくれたようです。
■その他■
赤キャベツは、小ぶりですが、葉が詰まっており、重い。天然色も鮮やかで、食欲をそそります。天然のものは、本来こんなにも美しい色なんだなと、驚いています。
手抜きですが、刻んでサラダでいただきました。
|
おまけの甘酢の大根の漬け物ですが、、、こういった味付けの漬け物はほとんど食べたことがなかったです。甘酢の香りが食欲をそそります。しつこくなく、それでいてしっかりした味で、いくつでも食べられました。普段多忙に紛れて漬け物まで手が回らない者には非常にありがたかったです。 |
寿太郎ミカンを早速食べてみました。酸っぱいもの好きの妻は、「とっても甘いよ、これ」と言いましたが、どうも私は妻に比べると、酸味に過敏に反応するようで、その日食べたときは、酸味がやや強く感じられ、野趣あふれる自然の味といった
感じでした。もちろん、酸っぱくて食べられないというわけではありません。甘みと 酸味が7:3くらいの割合で含まれているような感じ。 日にちがたつに連れ、甘みがとても増えてきて、更に美味しく変身しました。(8:
2)
どれもおいしそうで参りました。優秀なコーチと、安永先生の努力のたまものなのでしょうねー。
安永さんのお父様が褒めてくれたのが、なんだかとっても嬉しいです。
さて、その安永さん、今回のモニターにあたって、色んなことを書いてくださいました。なんで奥さんいるのにそんなに台所に立つのが好きなのかしら?下世話な私は前回のリンゴモニターの時に色々と頭の中で考えちゃいました。自分の周囲にそういう人がいないからね。今回、料理をすることになった背景やら、いろんなことを教えていただいて、なんだか納得。それも紹介してしまいますねー。ご本人からは、「後のモニターさんにプレッシャーになるといけないから、ばっさりカットして掲載してください」というお言葉いただきましたけど、しっかり載せちゃうもんね。
安永さんの料理論
←戻る
紅光のとなりの晩ごはんに戻る