昭和60年の夏、全身がだるくてどうしようもなくなり、外園先生に診察をお願いいたしました。特に両足が重たくて耐えられなかったのです。昼間は椅子の上に乗せていないとだめでしたし、夜は足下に布団を重ね、一段高くして休みました。お昼をすぎると両足ともすねのへんがむくんできて、指で押すとボコンとへこんだままもどらない、というありさまでした。 そのとき身長157センチに対して体重が66キロもありました。精密検査の結果、当然のごとく肥満とH型糖尿病だといわれました。本当にがっくりきてしまいましたが、何とかなおしたいと、必死の思いで先生の診察を受けたのです。 先生はどのような食事をとっているかお尋ねになったので、私は正直に答えました。私の好物は肉料理や油っこいもの。パン、ことにフランスパンが大好きでした。主食は白米、うどん、スパゲティで、せいぜい胚芽米を食べるくらい……。先生に指摘されて、つくづく死んだものばかり食べていることを感じました。「生きている食べものにこそ真実の価値があるのです」という外園先生のことばがとても印象に残り、その日から生野菜・くだもの、お刺身を優先して食べるようになりました。私の食革命です。ごはんも玄米100%にしました はじめはどうなることか、つづくのかしらと思ったのですけれど、健康に育った野菜・果 一カ月つづけると体重が減ってきました。そうなると今度は逆に胃がんにでもなっているのではないかと気が気ではなくなり、先生に検査していただきましたが、異常はまつたくありませんでした。 その後、血糖値も下がり、体重も徐々に減り、完全な健康体になりました。足のむくみもすっかりとれました。先生から「娘さんみたいな八等身になった」とひやかされて、うれしいやら気はずかしいやら……。 治療の間、一粒の薬も飲んでいませんし朝のラジオ体操と家事労働のはか特別な運動もしていません。本当に食べものを変えた以外のことは何もしていないのにと驚いています。 |